
天気と痛みの関係
この時期になると、
「天気が悪いと調子が崩れる」という方が増えてきます。
昔から、
「古傷が痛むから明日は雨だ」
と言われてきました。
実はこれは、単なる迷信ではありません。
なぜ気圧で痛みが出るのか?
一般的に、天気による関節痛には
関節包や靭帯に存在する受容器(センサー)が関係しています。
気圧が変化すると、
大気圧と関節内圧の圧力勾配が変化
↓
関節包の張力が高まる
↓
関節痛が発生する
という流れが起こります。
すでに痛みがある方では、
この変化によって症状が増強することがあります。
化学物質を介さない痛み
関節包の張力上昇によって生じる痛みは、
炎症性物質を介さない機械的な痛みとされています。
大気圧の著しい下降や関節内の滲出液増加などにより関節包が引き伸ばされると、
関節包に分布する侵害受容器の自由終末にある特殊なタンパク質が変形し、
Na⁺イオンを通すようになります。
その結果、
Na⁺イオン流入
↓
脱分極(起動電位)発生
↓
活動電位発生
↓
中枢神経へ伝導
↓
痛みとして認知
という生理学的過程が起こります。
慢性痛の方はより敏感
関節炎や慢性関節痛がある場合、
侵害受容器の機械刺激に対する感受性が高まっています。
そのため、気圧が下がると
健常者よりも早く、そして強く痛みを感じることがあります。
ポイント
✔ 気圧が急激に変化すると関節痛は起こりやすい
✔ すでに痛みがある方は増悪しやすい
✔ 慢性痛の方は特に敏感になりやすい
これから梅雨の時期。
気圧変動の多い、少しつらい季節になります。
ですが、悪循環に入る前に
早めに対処することで、症状はコントロール可能です。
天気に振り回されない身体づくりを、
一緒に目指していきましょう。
参考文献
横田敏勝
『臨床医のための痛みのメカニズム』



