
レントゲン上の変形は増えていないが、膝痛の方は増えた
ある研究では、米国においてこの20年間で
症候性の変形性膝関節症(痛みを伴う膝OA)が急増していることが報告されました。
しかし興味深いのは、
- ひざ痛の有病率は年齢やBMIとは無関係に増加
- 肥満は原因のごく一部
- レントゲン上の変形性膝関節症は増えていない
という点です。
つまり、
痛みは増えているが、構造的変形は増えていない
ということになります。
■ 変形があっても痛くない人は多い
実際、レントゲンで変形があっても
痛みのない方は少なくありません。
ここで思い出したいのは、
痛みは「構造そのもの」ではなく、
神経の電気信号として発生する現象だということです。
電気信号が発生しなければ、痛みは感じません。
■ 電気信号はどこから生まれるのか
膝関節そのものよりも、
- 関節包
- 靭帯
- 筋肉
- 皮膚
に存在する侵害受容器(痛みセンサー)の興奮が
原因になっているケースは少なくありません。
これがいわゆる侵害受容性疼痛です。
筋肉の緊張が強ければ、
痛みセンサーは刺激されやすくなります。
そのため、
✔ 筋肉の緊張が取れる
✔ 局所循環が改善する
だけで痛みが軽減する方が多いのです。
■ 変形=痛み、ではない
軟骨の摩耗や骨の変形そのものが
直接「電気エネルギー」を生み出すわけではありません。
ですから、
変形がある → 必ず痛い
とは考えにくいのです。
■ ご自宅でできること
膝の痛みを抱えている方の多くは、
膝周囲の筋肉が硬くなり、押すと痛みがあります。
まずは、
- 膝周囲のやさしいマッサージ
- ももの前後のストレッチ
を行ってみましょう。
そして可能な範囲で、
日常生活動作を維持することも大切です。
怖がって動かさないことが、
かえって痛みを長引かせることがあります。
膝の痛みは、
必ずしも「変形のせい」とは限りません。
構造だけでなく、
神経や筋肉の状態にも目を向けることが、
回復への近道になる場合があります。
参考文献
https://www.acpjournals.org/doi/10.7326/0003-4819-155-11-201112060-00004?articleid=1033191



