
久喜市よりお越しのAさん。
5年ほど前から右股関節に痛みがあり、医療機関ではレントゲン所見より「変形性股関節症」と説明を受けていました。
当院で確認すると、股関節の可動域にはやや制限があり、鼠径部と臀部に明確な圧痛が複数みられました。特に鼠径靭帯周囲は強い圧痛を示していました。
5回目の施術後、「最初に比べてほとんど痛みが気にならない」とのことでした。
「変形=痛み」なのでしょうか?
股関節の痛みについて、よく聞かれる説明があります。
- 関節が変形しているから痛い
- 軟骨がすり減っているから痛い
- 骨盤や関節が歪んでいるから痛い
- 筋力がないから痛い
- できるだけ安静にして体重をかけない方がいい
しかし、少し立ち止まって考えてみましょう。
レントゲンに写る「変形」は、エネルギーを発しているのでしょうか。
軟骨の摩耗は、そのまま痛みセンサーを刺激するのでしょうか。
骨盤の“歪み”は、直接的に痛みを生み出すのでしょうか。
実際には――
- 変形があっても痛みのない方は多く存在します。
- 手術で構造を整えても痛みが残ることがあります。
- 温めたり運動したりすると楽になる方がいます。
もし「変形=痛み」なら、これらの説明はつきません。
痛みは“構造”そのものではない
痛みは単なる摩耗現象ではなく、神経系が作り出す体験です。
レントゲンには骨の形は写りますが、「痛み」そのものは写りません。
股関節に変形があっても、
- 周囲の筋肉の緊張
- 神経系の感受性
- 生活動作への不安
- 長期間続いた防御反応
などが関与している可能性があります。
同じ変形でも痛い人と痛くない人がいる。
この違いは「構造」だけでは説明できません。
視点を広げる
もちろん、関節の変化を否定するわけではありません。
しかし、それだけに原因を限定してしまうと、可能性は狭まります。
安静にし続ければ筋力は落ちます。
筋力低下はさらに不安を強めます。
そして動かなくなる――。
この循環が痛みを長引かせることもあります。
股関節が変形しているから痛い、
本当にそれだけでしょうか。
あなたの痛みの背景には、
まだ見落としている要素があるかもしれません。
可能性は、構造の外側にもあります。



