2019年7月2日
新刊『痛みの正体を知れば、腰痛は治せる-くつがえった腰痛の常識-』発売
痛みに対する治療方法として読書療法が注目されています。
アメリカの研究では、読書療法により読了後1週間で52%の方が症状改善しただけでなく、その後も9ヶ月後、18ヶ月後も更に改善し続けたといいます。※1
日本でもNHKスペシャル「腰痛治療革命」において、痛みの認知変更の重要性、体を動かすことの重要性を訴えていましたから、放送を見た方は理解しやすいのではないかと思います。
そこで、今回旧来の考え方から新しい考え方である生物心理社会的疼痛モデルを基に読書療法に使っていただけるようにと出版するに至りました。
書題は腰痛とありますが、痛み全般の読書療法にご活用いただければ嬉しいです。
※1 Udermann BE.. et al, Spine J, 2004, 4(4): 425-35.
痛みの正体を知れば、腰痛は治せる 目次
はじめに---3
プロローグ 腰痛の正体に迫る「痛みのしくみ」が分かれば腰痛は楽に
腰痛は社会に大きな損失をもたらす---16
ケガがなくてもケガがあるように痛む?---18
存在しない損傷(=ケガ)は治せない---20
「痛みの原因は神経の圧迫」って本当?---22
「痛みのしくみ」が分かれば、それだけで痛みが軽くなる---23
●「腰痛の正体」のポイント
第1章 腰痛はなぜ治りにくいのか ここまで分かった「痛みのしくみ」
「痛みのしくみ」そのものが痛みを起こす---28
急性痛が長引くと「痛みのしくみ」が変化する---29
脳に記憶された痛みが繰り返し再生される---32
ズキーンとくる「一次痛」、ズーンとくる「二次痛」---35
脳の「痛みをブロックするしくみ」が働かないとどうなるか---37
「痛みの悪循環」に陥っていないか?---39
軽い刺激が痛みの悪循環を断ち切る---42
腰痛の90パーセント以上は原因が特定できない---43
腰椎椎間板ヘルニアは腰痛の原因ではない?---46
「プラセボ効果」で痛みが和らぐ---48
医療者の言葉が痛みを作り出す「呪い」となる---50
痛みのことばかり考えると痛みはますます強くなる---52
「痛みのしくみ」が分かれば治療の半分は達成される---53
腰痛についての小冊子配布で医療費を大幅削減---56
例外的ケースもある---58
痛みの改善を妨げる習慣や心のあり方---60
腰痛の「青信号」「黄信号」「赤信号」---62
●「治りにくい腰痛」のポイント
第2章 痛みの「過去の常識」を捨てよう! 痛みの治療は正しい知識から
過去の常識① 腰痛になったら安静に---66
過去の常識② 腹筋運動で腰痛が予防できる---68
過去の常識③ 痛みはなるべく我慢。痛み止めに頼らない---70
過去の常識④ 老化や骨の変形で痛みが起きる---71
過去の常識⑤ 画像検査で痛みの原因が分かる---73
過去の常識⑥ 椎間板ヘルニアで神経が圧迫されると腰痛になる---75
過去の常識⑦ 坐骨神経痛は椎間板ヘルニアによって起きる---79
過去の常識⑧ 椎間板ヘルニアや脊柱菅狭窄症は手術が必要---82
●「覆される過去の常識」のポイント---84
第3章 痛みをすみやかに緩和する施術法 筋肉と皮膚を中心としたアプローチ
「痛みのスイッチ」が押されたままになっていないか?---86
とにかく「痛みのスイッチ」を切るべし---90
痛みのほとんどはある種の筋肉痛---92
「坐骨神経痛」は坐骨神経の問題ではない?---93
「痛みの引き金」を緩めよう---96
トリガーポイントは意外なところにある---98
表皮はそれ自体が高精度なセンサーだ---100
1秒5センチの速度で皮膚に触れると・・・・・・---101
筋肉と皮膚と靭帯のネットワークを調整する---103
多くの患者さんが痛みのない生活を取り戻している---105
第4章 「痛みの知識」のアップデート レッドフラッグ、グリーンライト、イエローフラッグとは
腰痛の3つの信号を理解しよう---110
レッドフラッグ(赤信号)の腰痛を見逃してはダメ---112
グリーンライト(青信号)の腰痛なら普段どおりの生活を---114
イエローフラッグ(黄信号)を見逃すと慢性痛症に---116
痛みを難しく考えると、それは「難しい痛み」になる---118
ストレスは痛みを増強する---120
この「痛みの悪循環パターン」に注意!---124
慢性痛症に効く「認知行動療法」---128
痛みのセルフケア7ヵ条---132
●「痛みの知識」のポイント---142
第5章 筋肉が原因となっている痛みへの対処法 痛みを治すための考え方からセルフケアまで
痛みの原因の多くは筋肉のコリが原因---144
痛みの発生を多角的に考える---147
日常生活や考え方を変えてみよう---152
先進国のなかで最も睡眠時間が短い日本人---154
睡眠時無呼吸症候群と痛み---156
見逃されがちな質的栄養失調---157
喫煙と痛み。煙草は百害あって一利なし---161
●「生活習慣改善」のポイント---163
お勧めのセルフケア(力の抜き方を覚える)---165
催眠という言葉に対する先入観をなくすために---179
皮膚の機能を使った施術方法を行う理由---181
皮膚は「第三の脳」か---190
施術効果を上げるにはポイントがある---192
潜在意識を意識した生活をする---194
潜在意識は現状維持をしようとする---198
●「潜在意識」のポイント---200
西洋人と日本人---201
おわりに---203