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脊柱管狭窄症とは
脊髄を通す管を脊柱管といいますが、この管がなんらかの原因で狭くなってしまい、脊髄神経を圧迫して痛みやしびれ、麻痺などが発生する疾患を脊柱管狭窄症といいます。
神経を圧迫すると痛みが発生するは間違いだった
椎間板ヘルニアが神経を圧迫して下肢痛を引き起こすといわれたのは今から104年前、Glodthwaitだとされています。
以来、神経への圧迫は痛みを引き起こすといわれてきましたが、近年神経生理学の発達により神経は圧迫しても興奮しないことが分かってきました。
感覚の多くは電気信号のやりとりですから、様々な受容器の興奮がなければ起こりません。
途中を圧迫して興奮が起こる(痛みが起こる)という説明はおかしな説明なのです。
生理学で有名な熊澤孝朗先生は著書「痛みを知る」で
「神経線維は通常、その末端の受容器からの信号を伝えるものであって、その途中が興奮する様なことはありません。」
書籍「痛みを知る」より引用
と記しています。
また、「臨床医のための痛みのメカニズム」では
神経一般の発声機序
書籍「臨床医のための痛みのメカニズム」より引用
痛覚繊維の生理的興奮は、その末梢の自由終末にある痛覚受容器(侵害受容器)が刺激されたときにみられる。
自由終末と脊髄を継ぐ部分からインパルスが発生することはめったにない。
痛覚受容器を介さずに神経線維からインパルスが発生することを異所性興奮という。異所性興奮を生じる可能性が高いのは、脱髄部および傷害された末梢神経の側芽と神経腫である。
神経根痛脊髄後根を圧迫すると神経根痛(radicular pain)がでて、圧迫された後根の支配領域に痛みが走るとみられている。しかし、この考えは特別な場合にしか通用しない。
たとえば、脱髄線維を含む脊髄後根への機械刺激は神経根痛を誘発するが、正常な脊髄神経根の圧迫は痛みを生じない。
実験動物の正常な脊髄後根を圧迫しても、痛みを伝える侵害受容線維を含めた求心性線維の持続的発射活動は誘発されない。しかし、あらかじめ傷害しておいた脊髄後根を機械刺激すると、持続的なスパイク発射が誘発される。
バルーンカテーテルを使って正常人の脊髄神経根を圧迫すると、錯感覚(paresthesia)と感覚鈍麻が誘発されるが痛みはでない。
正常な脊髄後根を牽引しても痛くない。
しかし、傷害歴のある脊髄神経根を鑷子で圧迫したり、縫合糸をかけて牽引したりすると、特徴的な神経根痛が走る。
Kuslichら(1991)は、局所麻酔下に椎間板ヘルニア、脊柱管狭窄症の減圧手術を受けた患者193例を対象にして、局所麻酔薬を次第に追加しながらいろいろな組織を刺激したときに誘発される感覚を調べた。正常な脊髄神経根に触れても痛みはなかった。
とあります。
足の裏の神経や妊婦さんのお腹の神経、座業の坐骨神経を想像してみてください。
神経がそんなに圧迫に弱い器官ならば世の中障害だらけになりますが、実際はそうではありません。
また、和歌山県在住の男女1009人を対象とした研究では、画像所見で脊柱管の狭窄が認められ、症状もある人は9.3%で、76.5%の方が中等度以上の狭窄が見られるが、その殆どは無症状だったという研究もあります。
https://bit.ly/2LfRBrk
和歌山県在住の男女1009人 | 画像上の脊柱菅狭窄 | 画像上の脊柱菅狭窄と症状を伴う人 |
1009人中 | 76.5% | 9.3% |
画像上の異常はあまりあてにならない
腰痛のある方と無い方でレントゲンやMRIの画像を比べると腰痛のない健常者の方達にも画像上の異常、つまり関節の変形や椎間板の狭小化、椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症は普通に映しだされます。
70代の健常者を撮影したらその6割に脊柱管狭窄症が映し出されたという話もありますし、手術と保存療法で比べたら二年後の状態に差がなかったなど、このような話はたくさんあります。
脊柱管狭窄症減圧術と理学療法二年後に差なし
ですから、画像上の変化は年を重ねれば一般的なことであり、麻痺がなければ手術の必要はないといった考え方に変化してきつつあります。
ではどうしたらよいのでしょうか
手や足、首や腰などに発生する痛みやしびれの多くは皮膚や筋肉由来のものですから、柔らかくしてあげればよいのです。
例えば私なら皮膚と筋肉を微弱な刺激で調整する方法で興奮したトリガーポイントを沈静化させます。
その他にも脊柱管狭窄症について様々な情報を得て安心すること。
不安や恐怖が強いと痛みがとれづらくなりますからね。
原因があるからこそ、結果として痛みやしびれがあります。
がんばって痛みから開放されましょう。
皆さんにこんな悩みはありませんか?
- 少し歩いては痛み、長く歩くことができない
- 腰やお尻、足がとても痛い
- 痛みで歩くのが大変
- コルセットや痛み止めが手放せない
- 現在受けている治療が痛いので、痛くない治療を探している
痛みを長い間放っておくと痛みそのものが病気の状態になってしまうことがあります。
そうならないためにも、痛みはなるべく早く改善することをお勧めします。
体の痛みは様々な原因で発生します。自己判断はせず、なるべく専門家の指示を仰ぎましょう。
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