
目次
―「異常なし」と言われても痛い理由―
慢性痛で悩む方の多くが、こう言われた経験を持っています。
- レントゲンでは異常ありません
- MRIでも問題は見当たりません
- 年齢相応ですね
それでも、
痛みは確かに存在している。
この食い違いが、
不安や混乱を強めてしまう原因になります。
検査は「壊れているか」を見るもの
画像検査(レントゲン・MRIなど)は、
主に 骨・関節・靭帯・椎間板といった構造 を評価するためのものです。
つまり検査で分かるのは、
- 骨折しているか
- 大きな損傷があるか
- 明らかな炎症や変形があるか
といった
「組織が壊れているかどうか」 です。
一方で、
痛みのすべてが「壊れた組織」から生まれるわけではありません。
痛みは「信号」であって「写真」ではない
痛みは、
体の一部を写した写真のようなものではなく、
神経を通じて脳が受け取る信号です。
そのため、
- 組織に大きな異常がなくても
- 危険だと判断されれば
- 痛みとして感じられる
ということが起こります。
慢性痛では特に、
👉 脳や神経が「痛みを出しやすい状態」を学習してしまう
ことが重要なポイントになります。
「異常があるのに痛くない人」も存在する
興味深いことに、
画像上では明らかな変化が見つかっても、
まったく痛みを感じていない人も少なくありません。
たとえば椎間板ヘルニアは、
症状のない健常者にも高い頻度で見つかることが知られています。
これは、
👉 画像に写る変化そのものが
👉 直接痛みを決めているわけではない
ことを示しています。
このような研究報告は多数あります。
慢性痛では「感度」が問題になる
慢性痛で起きているのは、
多くの場合「破壊」ではなく「過敏」です。
- 神経が刺激に反応しやすくなる
- 脳が危険を予測しすぎる
- 本来無害な刺激でも痛みとして処理される
この状態では、
画像検査で説明できる異常が見つからなくても
痛みは十分に現れます。
「異常なし」は、悪い結果ではありません
「異常がありません」と言われると、
不安になる方も多いのですが、
見方を変えるとこれは とても重要な情報 です。
- 深刻な損傷は起きていない
- 回復できる余地が残っている
- 体は壊れていない
つまり、
👉 正しい方向からアプローチすれば改善が見込める状態
である可能性が高い、ということです。
まとめ
― 検査で説明できなくても、痛みは理解できる ―
- 検査は「壊れているか」を調べるもの
- 痛みは「神経と脳の反応」で決まる
- 慢性痛の多くは、構造異常ではなく過敏な反応
- 「異常なし」は回復のスタート地点になり得る
原因が分からない痛みほど、
「分からないままにしない説明」が重要です。
痛みを
怖がる対象から、理解できる現象へ
変えていくことが、慢性化から抜け出す第一歩になります。


