
外側上顆炎(テニス肘)とは
外側上顆炎、いわゆる「テニス肘」の方は少なくありません。
手や前腕を酷使する動作が続いた後に発症しやすい疾患です。
テニスだけでなく、パソコン作業や工具の使用、家事などでも起こります。
なぜ痛みが出るのか?
肘の外側には、筋肉や腱、靭帯、関節包などに多くの受容器(センサー)が存在しています。
力を入れた際にこれらの受容器が異常を感知すると、
ポリモーダル受容器が興奮し、痛みとして認識されます。
その流れを整理すると、概ね次のようになります。
受容器の異常感知
↓
筋緊張亢進
↓
発痛物質産生
↓
ポリモーダル受容器興奮
↓
痛みの認知
↓
交感神経興奮
↓
さらなる筋緊張亢進
↓
局所循環不全
↓
痛み増強
このように、痛みは「悪循環」として増幅されていくことがあります。
痛みだけではない症状
主症状は痛みですが、
- 手のしびれ
- 力が入りづらい
- 握力低下
といった症状を伴うこともしばしばあります。
しびれは、筋緊張が持続して循環不全に陥ることで起こるケースが多く見られます。
例えば、重たい荷物を長時間持ち続けると手がしびれることがありますが、
あれも筋緊張と循環障害によるものです。
※もちろん、すべてのしびれがこの機序とは限りません。
力が入らない理由
握力低下や脱力も、受容器の機能不全によって起こることがあります。
このタイプの脱力は、
神経そのものが損傷している場合とは異なり、
受容器の調整ができれば、その場で改善することも珍しくありません。
早期対応が大切
どの痛みやしびれにも言えることですが、
症状の入力が長期間続くと、神経系の回路が変化しやすくなります。
ここでいう「慢性痛症」とは、
痛みの回路が可塑化した状態
を指します。
一般的な「〇か月以上続いたら慢性痛」という定義とは少し異なります。
- 何年も急性痛様の状態が続く方もいます
- 早期から慢性痛様の状態に移行する方もいます
単純に「長引いている=慢性痛症」とは言い切れません。
だからこそ、悪循環に入る前に、
できるだけ早く痛みを軽減させることが重要です。
外側上顆炎は、
構造だけでなく、受容器や神経系の働きにも目を向けることで、
改善の道が見えてくる疾患です。



