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数字に縛られないために知っておいてほしいこと
万歩計やスマートウォッチは、
日々の運動量を「見える化」してくれる便利なツールです。
「歩くことは健康に良い」
それ自体は、間違いではありません。
しかし近年、万歩計の使い方によっては、かえって心身に負担をかけてしまうケースも少なくないことが分かってきています。
万歩計に潜むデメリット
歩き過ぎによる体への負担
歩くという行為は一見安全に思えますが、
回数や距離が増えすぎると、関節・筋肉・腱への負担は確実に蓄積します。
特に、膝・足首・股関節・腰に不安がある方では、
「健康のため」の歩行が、痛みの原因になることもあります。
目標達成への強迫観念
万歩計は、数字が明確に出る分、
「今日は足りない」
「あと◯歩歩かなければ」
といった義務感や強迫的な思考を生みやすい側面があります。
本来は体調に合わせて調整すべき運動が、
いつの間にか「達成しなければならないノルマ」に変わってしまうのです。
怪我(オーバーユース)のリスク
同じ動作を繰り返すことで起こる「オーバーユース(使い過ぎ)」は、
ランニングだけでなく、歩行でも起こります。
足底腱膜炎、アキレス腱炎、膝や股関節の痛みなどは、
歩数増加がきっかけで発症・悪化することも珍しくありません。
疲労・症状の悪化・ストレス増大
疲労が十分に回復しないまま歩き続けると、
- 慢性的なだるさ
- 痛みの長期化
- 自律神経の乱れ
- 「やらなきゃ」というストレス
につながることがあります。
特に、慢性痛や持病、不安傾向がある方では注意が必要です。
「1万歩」は本当に必要?
実際、研究データでは
1日7,000〜8,000歩前後で健康効果はほぼ頭打ちになるとされています。
それ以上歩いても、
死亡リスクや生活習慣病リスクの低下といったメリットは限定的です。
それにもかかわらず
「1万歩」を目指し続けることで、
かえって疲労や痛み、不安を増やしてしまうケースも少なくありません。
「たくさん歩く=より健康」
という単純な図式は、必ずしも成り立たないのです。
健康的に万歩計を使うためのポイント
適切な目標設定をする
万人共通の「正しい歩数」は存在しません。
年齢、体力、体調、既往歴、生活環境によって、
適切な運動量は大きく異なります。
体調を最優先にする
疲れている日、痛みがある日、気分が乗らない日は、
無理に歩かない選択も立派なセルフケアです。
休むことは、サボりでも後退でもありません。
数値より身体の感覚を大切にする
歩数はあくまで「参考値」です。
- 歩いた後、体は楽か
- 翌日に疲れや痛みは残っていないか
- 気分は軽くなっているか
こうした感覚のほうが、数字より重要です。
不安障害がある方は特に注意
不安傾向が強い方では、
数値管理が安心材料ではなく、不安を増やす要因になることがあります。
その場合、万歩計を使わない、あるいは見ないという選択も十分に合理的です。
サポーターやコルセットと似た構造
臨床現場では、
「サポーターやコルセットが外せなくなっている方」をよく見かけます。
- 外すと不安
- 無いと動けない気がする
本来は補助のはずの道具が、
不安を固定化する存在になってしまうのです。
万歩計も同様で、
使い方次第では「健康を守る道具」にも
「心身を縛る道具」にもなります。
まとめ
万歩計は、正しく使えば便利なツールです。
しかし、
- 数字に縛られすぎない
- 体調と回復を最優先する
- 「やらなければ健康になれない」という恐怖から距離を取る
これらが何より大切です。
健康とは、
「何歩歩いたか」より
「自分の身体と上手に付き合えているか」。
その視点を忘れずに、
無理のない形で日常に取り入れていきましょう☺️



