「椎間板ヘルニアが痛みの原因」と思っている方が多いかと思います。
しかし、椎間板ヘルニアが突出して神経を圧迫しているからといって、必ずしも痛みに繋がらないのはご存知でしょうか?
ある研究論文によると、腰痛未経験の方のMRIを撮影したところ、なんと76%の方に椎間板ヘルニアが認められました。
腰痛では無いにもないにも関わらずです。
腰痛の原因を知りたい方にとって、画像診断はわかりやすく、かつ説得力のある証拠になりますし、今も医療機関では椎間板ヘルニアは痛みの原因と診断されるのですから、そう思ってしまうのも至極当然だと思います。
2015年末に放送されたNHKスペシャル「腰痛治療革命-見えてきた痛みのメカニズム」では椎間板ヘルニアの90%は放っておいても自然治癒すると解説されていました。
医療機関で診断を受けると何かしら病名がつけられると思いますが、これは必ずしも痛みを引き起こしている原因が分かって付いているわけではないのです。
坐骨神経痛、腰部脊柱管狭窄症などは字を見ただけでいかにも恐ろしい病気のような感じがしますが、必ずしも心配し過ぎることはありません。(馬尾症候群、麻痺は除く)
骨の変形やヘルニア、脊柱管狭窄などは年を取れば誰でも出てくるものです。
健康な70歳代の腰を画像検査したら60%に脊柱管の狭窄が見られます。ですから、椎間板ヘルニア、坐骨神経痛、腰部脊柱管狭窄症=「痛み」ではないということなのです。
痛みを知ることがカギ
先日放送されたNHKスペシャルでは脳のDLPFC(背外側前頭前野)の衰えが長引く腰痛の原因の一つだと解説されていました。痛みが起きると痛みの情報は電気信号となって神経を伝い、脳へ伝達されます。すると脳では神経細胞が興奮し、痛みの回路が生まれます。
通常であれば原因が治れば痛みは引くのですが、DLPFCが衰えて働きにくくなっているといつまでも痛みが続くことがあります。
では、何がこのDLPFCの働きを衰えさせてしまうのでしょうか。
DLPFC(背外側前頭前野)の働きを衰えさせてしまう原因の一つが、痛みに対する過剰な恐怖や不安です。
DLPFCは脳の中で痛みの回路、ネットワークを鎮める役割がありますが、このDLPFCは恐怖、悲しみ、不安などの感情をコントロールする役割もあります。
強い不安や恐怖心が生まれると、DLPFCに強いストレスがかかり、この状態が長く続くとDLPFCはヘトヘトに疲れてしまって本来の働きができなくなってしまいます。
そうすると痛みを鎮める機能が低下してしまい、痛みの回路の興奮が続きやすくなってしまうのです。ではどのように痛みへの恐怖や不安へ対処すれば良いのでしょうか。
まず、痛みに対する過剰な恐怖や不安の一つに痛みを知らない、ということが挙げられます。
例えば、急性腰痛として有名なぎっくり腰。
一昔前まではぎっくり腰になったら冷やして安静と言われていました。
しかし、現在ではこれは否定されていて、安静を維持すると痛みの慢性化率や再発率が高まるため、できるだけ日常生活動作を維持するように勧められています。
ヨーロッパの腰痛診療ガイドラインでは「余程の激痛でない限り2日以上の安静は指示するべきではない」
日本の腰痛診療ガイドラインでも「腰痛に対して痛みに応じた活動性の維持は、ベッド上の安静よりも疼痛(痛み)を軽減し機能を回復させるのに有効である」と記載されています。
しかしながら、これらのことは全くと言っていいほど浸透していないのが現状です。
- 腰痛未経験者の腰をMRI撮影したら、腰椎椎間板ヘルニアが76%にみられた
- ヘルニアや脊柱管狭窄症で「手術」と「手術しない治療法」の両者では、数年後の治癒成績はほぼ同一
- 神経管を圧迫しても痛みは生じないことは、生理学では一般的になっている
- 脊椎すべり症、椎間板狭小化、変形性脊椎症などは腰痛患者、腰痛未経験者を分けて画像を比較しても同程度に存在する
これらのことをご存知ではなく、この事実に驚かれる方が殆どです。
初めからこれらのことを知っていれば、例え病名をつけられても過剰な恐怖や不安に陥ることは少ないのではないかと思います。痛みに対する過剰な恐怖や不安に囚われると過度に腰を大事にしようとしてしまいます。
これらの意識や行動は「恐怖回避思考」と言われますが、これは腰痛を回復しにくくするばかりか、再発率を高めてしまうことに繋がります。
ですから痛みに立ち向かうためには、
1.痛みの基になっている認知(恐怖や不安)を変える=痛みを知る
2.無理のない範囲で動かす
といったことが、とても重要になるのですね(*^^*)
今回は腰のお話でしたが、基本的に肩でもヒザでも同じことが言えるのです(^^)
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