今までの考え方は失敗に終わった

体の部品の損傷を痛みの原因とする損傷モデルは失敗に終わりました。
これでは痛みを抱える方が増えるだけだったのです。
日本の腰痛人口はこの30年間で1,6倍に増え、2670万人にまで増えてしまいました。
これはオーストラリアの全人口2460万人を上回っています。

先にも書いたように画像上の変化と痛みは相関関係に無いこと、撮っても治りに影響を与えないことなどのデータからこの考え方は否定され、人を全人的に見ていこうとする生物心理社会的疼痛モデルに変化しています。

国際疼痛学会ではこの生物心理社会的モデルを次のように説明しています。

生物心理社会モデルとは、慢性的な筋肉や骨格系の痛みを理解するときに、生物学的(身体的)な要素だけでなく、心理学的、社会的な要素も考慮しなければならないということを提唱するものです。
このモデルでは、痛みというものを、心理的・社会的な要素と身体的な要素にはっきりと区別するのではなく、その双方の相互作用としてとらえます。
この考え方は、身体的な要素だけを考慮するこれまでの医療のあり方に取って代わりつつあり、生物心理社会モデルに基づく医療は、慢性的な痛みの患者にとって、最も効果的で費用対効果が優れています。
そのような医療において、生物学的、心理学的、社会的要素はすべて同時に扱われなければなりません。

人間関係・悩み・疼痛行動・栄養欠乏・誤った考え方・仕事の満足度、うつ状態、過剰な不安、認知機能などが複雑に絡み合って痛みは慢性化していきます。

痛みを知り、行動しましょう

難治化させないで早く治すためには自分の体をもっとよく知り、信頼しましょう。
痛みの知識を得て、適切な行動をとりましょう。
治療に通うのも良いですが、多くの痛みは自分自身で治せます。

オススメは痛みを知るための読書療法です。
これは心理的に働きかけ、自分自身の感情や状態に気づくことで、痛みと向き合い、考え方や日常生活動作の変化を促すものです。
オーストラリアの腰痛に屈するな!のキャンペーンが有名ですが、2015年末に放送されたNHKスペシャル「腰痛治療革命」も書籍化されて話題になりましたね。
書籍代も1500円ほどのものが多いですから、費用対効果に優れた方法と言えます。

読書療法にお勧めの書籍は

  • 腰痛は怒りである 長谷川淳史著
  • 腰痛ガイドブック 長谷川淳史著
  • 人生を変える幸せの腰痛学校 伊藤かよこ著
  • 日本の腰痛 誤診確率80% 北原雅樹著
  • 痛みの正体を知れば、腰痛は治せる 大嶋大輔著

などがお勧めの書籍になります。

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