人は思い込みで死ぬ力を持っている

さらに、こんな話もあります。第二次世界大戦前のヨーロッパでは死刑囚を被験者として、血液を体から少しずつ抜くという実験が行われました。

実際には、血液は抜いておらず、目隠しをされた被験者は水滴の音を血液が滴り落ちる音だと思い込んでいたのですが、それでも、事前に知らされていた「人間の全血液量」に相当する出血量を医師に告げられると、その被験者は死んでしまったそうです。

これらは、ノーシーボ効果がある種の「呪い」として働くことの一例ですが、これと同じような「呪い」を、私たち医療に携わる者が患者さんにかけてしまうことがあります。

つまり、「椎間板が突出して神経を圧迫しているから、今は痛くなくても今に痛くなります」「腰椎が変形しているから、そのうちに腰痛が出てきますよ」「脊柱管が狭くなっているから、今後、狭窄症の症状が出てくるかもしれない」

……といったことを医療者の側が言ってしまうと、それがノーシーボ効果となり、それまでなかった痛みを起こしてしまうのです。

そう、まるで「呪い」のように。

実際、そのようにして多くの腰痛が作り出されていると私は考えます。

だからこそ、医療に携わる者は、己の使う言葉に細心の注意を払わなければなりませが、いまだに「骨盤が歪んでいる」「骨が変形して・・・」「老化で・・・」などの言葉が溢れかえっていますね(とほほ)。

残念ながら日本の痛み医療は諸外国に比べると20年以上遅れていると言われており、まだしばらくは痛みの知識を吸収して自分の体は自分で守るしか無いのかもしれません・・・。

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