このようなプラセボ効果について、脳の中で何が起きているか、ということもある程度分かっています。痛みを感じたとき、脳内では痛みを抑えてくれる鎮痛物質が分泌されますが、実は患者さんが「これは痛みに効きそうだ」と思って薬を使うことでも、その鎮痛物質がよりたくさん分泌されるのです。

しかも、薬ではなく、薬に見せかけた偽薬を「これは痛みに効きますよ」と医師に渡されて服用したような場合にも、やはり鎮痛物質が分泌されて痛みを抑えることがあります。これがプラセボ効果です。

偽薬が効くなんて何か詐欺的な話のように感じるかもしれませんが、どのような治療もある程度はプラセボ効果を伴っており、治療効果を補っているのは間違いありません。

臨床試験などでは、薬そのものの効果を判定するため、プラセボ効果を極力排する工夫がなされますが、実際の治療では、むしろプラセボ効果を積極的に利用して痛みを早期に抑えたほうが患者さんのためになるでしょう。

大きなリスクを伴わず、痛みを早期に改善できるのであれば方法にこだわる必要はないと思います。

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