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米国職業環境医学会は急性腰痛、いわゆるぎっくり腰でも、「特別の原因のない急性腰痛を訴える労働者に対して、真っ先にX線写真を撮ってはならない」と指摘する。「赤い旗」が疑われても、すべての患者に対してX線撮影をしなくてもいいという。
 さらに、学会は腰痛に関連して、「雇用時の身体検査で、腰椎のX線検査を加えてはならない」と注意を促す。雇用時の身体検査は個人の労働への対応能力を見るために行われるが、腰椎のX線検査は出費を強いるうえに、放射線にさらす有害性もある。労働者の職業遂行能力には関係なく、将来の傷病を予測する効果もない。
 北米脊椎学会も、「特別な理由のない急性腰痛では、『赤い旗』が立っていなければ、6週間以内の段階でMRI検査などの画像診断をするべきではない」と、同様に急性腰痛での画像検査の不要性を指摘している。
 症状が現れて6週間以内の腰椎の画像診断は改善にはつながらないという。学会は、「単に出費を招くだけ」と手厳しい。腰痛は米国において、医療受診する理由の中で5番目に多いというごくありふれた症状。いちいち画像検査をしている余裕も必要もないというわけだ。
 腰のX線写真の撮影は旗色が悪い。
(第39回おわり、第40回へつづく)

室井一辰 医療経済ジャーナリスト

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