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 「腰痛になりました」と医療機関を受診した時に、腰のX線写真を撮られて、特に異常なく湿布をもらって帰った――という経験をしたことのある人は多いだろう。日本でも複数の調査で、腰痛があらゆる症状の中で最も多いと判明している。米国でも大きな問題であるようだ。
 米国家庭医学会は、「腰痛を発症した時は、『赤い旗』が立っていなければ、6週間以内の段階で画像診断をするべきではない」と否定的だ。「赤い旗」とはここでは重症であったり、神経的な障害が進んでいたり、骨や筋肉の炎症など深刻な状況が疑われたりする場合を指している。外傷の病歴、意図しない体重減少、免疫抑制、ガンの病歴、静脈からの薬剤投与、ステロイドの使用、骨粗しょう症、年齢が50歳超といった条件もある。
 米国内科医学会も、「腰痛に対して、特別な原因がない場合には、画像診断をするべきではない」と同意する。もうダメ押し状態だ。腰痛のある患者で、特別な疾患や脊椎の異常に原因を求められず、病歴や身体検査からも特別な原因がないようであれば、単純X線検査やCT検査、MRI検査を含めた検査は症状改善につながらず不要だという。「ほとんどの腰痛は画像検査を要さず、行ったところで偶然関係ない所見を見つけて、無用な手術を行う羽目になったりするもので、ほかの問題が起こり得る」と米国家庭医学会も有害性を強調する。
 日本での費用負担は5000円程度で、整形外科でお手軽に検査をしそうなところだが、多くの場合不要なのかもしれない。
(第38回おわり、第39回へつづく)

室井一辰医療経済ジャーナリスト

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