脊椎分離症、腰痛と痛み、スポーツ

腰椎分離症という疾患があります。脊椎の椎体と椎弓の骨の連続性が断たれてしまい、離れてしまった状態を「腰椎分離症」といいます。原因は色々と言われています。使いすぎによる疲労骨折、外傷性、先天性のもの。

レントゲン検査して分離部を見せられるといかにも痛そうですね。しかし、分離していても痛みがない方がいるのはご存じですか。

こんな論文があります。

・18~50歳までの腰痛患者807名と健常者936名を対象に、腰部X線撮影で脊椎分離症の検出率を比較した結果、腰痛患者群は9.2%、健常者群は9.7%だった。脊椎分離症が腰下肢痛の原因と考えるのは非論理的ではないのか?http://1.usa.gov/j2Jw5aTMSJAPAN長谷川先生より提供

腰痛持ちのグループと、健常者のグループ、どちらも同程度脊椎分離症が認められたというものです。

画像検査で確認できる脊椎すべり症、脊椎分離症、腰仙移行椎変形性脊椎症潜在性二分脊椎ショイエルマン病は腰痛とは無関係で、全腰痛患者の85%以上は原因が特定できない非特異的腰痛(van Tulder MW et al Spine 1997)

画像検査とはレントゲン、CT、MRIなどのことです。画像検査では腰痛の原因は85%以上が特定不能ということです。

青少年の脊椎分離症、すべり症が腰痛の原因となることはまれである
脊椎分離症、辷り症が青少年のスポーツ選手にみつかると、その選手の将来性に関して悲観的な説明をしがちであるが、それは間違いである。Muschikはプロのバレェダンサーの分離辷り症を検索したところ、被験者の32%に発見した。しかし、腰痛の発症率は分離辷り症のないダンサーの腰痛発生率と差がなかったという。また、青少年のスポーツ専門学校で平均10.1%のすべり度をもつ86症例に数年間の集中的トレーニングを行ったが、5年経過の間に腰痛を生じた者はいなかったという。このことから青少年の脊椎分離症、辷り症と腰痛の関係はないといってよい。 「整形外科プライマリケアハンドブック」より

そもそも痛みが出た日に分離したのか、それ以前から分離していたのか、証明することはできません。

脊椎分離症は疲労骨折と言われていますから、分離した当初は痛いと思います。しかし時間が経ったものは分離していてもしてなくても痛みは発生しないのだから、くっつけることに一生懸命にならなくてもよいとは思いませんか。

分離しているから痛いというのは誤った思い込みですよ。

あなたの痛みは本当に分離症による痛みなのでしょうか。

Krankentrage

冷房病と痛み

最近は流石に暑くなってきましたので、当院でも冷房を入れるようになりました。

冷房を入れると体調が悪くなる。よく聞く話ですが、そんな経験をしている方は多いのではないでしょうか。

冷房病と言う言葉があります。正式には存在しない病名ですが、強い冷房が効いた空間に長い時間いたり、温度差が激しい所を行き来することによって起こる体調不良と言われています。

実際には冷房との関連はハッキリしないと言われていますが、流石にこれだけ多くの方が訴えるとなると、関係性は否定出来ないと思います。なんでも病氣にする必要もありませんが。

以下はウィキペディアからの引用ですが、人間の体温調節をしている自律神経は、5℃以上の急激な温度変化に対処できないために、それが繰り返されると交感神経副交換神経のバランスが崩れてしまい、自律神経失調類似状態となる、とあります。

なお、冬場暖房でも同様の温度差がありますが、着物などで体温調節機能が補われるため、冷房病の様な症状が発生することは少ないそうですし、これは実際にあまり聞きません。

冷房病の症状は頭痛肩こり神経痛腰痛体の冷え月経不順鼻炎不眠頻尿下痢便秘食欲不振腹痛疲労感浮腫(むくみ)など、様々な症状を引き起こします。

対策としては

・冷房を弱くし、なるべく外氣温との差を5℃以内にする。

・冷房の冷風が直接当たらないようにする。

・適度に運動して体温調節機能を刺激する。

・厚着をする。

・ストレスをためないようにする。

冷房の風が直接当たる方の訴えは多様で、自律神経症状を伴っていることが多いです。職場にお願いしてフラップ付けて直接風が当たらないように対処してもらえるとよいと思いますが、対処してもらえるでしょうか。体調不良のまま仕事をしても効率悪くなりそうです。

さて、最近知ったのですが、空気を冷やしたり温めたりするのに現在のエアコンに替わる機械が発売されているようですね。光冷暖といいますが、興味のある方は光冷暖のサイトをご覧ください。

光冷暖公式サイト http://www.a-hikari.com/

でも、温度差が大きければ同じかな?w

クーラー

椎間板ヘルニア犯人説は本当か

椎間板ヘルニアは今まで腰痛しびれの主な原因として扱われてきました。

およそ100年前の1911年、Goldthwaitが最初に「椎間板の突出が坐骨神経痛を引き起こし得る。」と考え、1934年MixterとBarrの発表から腰椎椎間板ヘルニアの手術が世の中に広まり、それが現在も定説とされてるのはご存知の通りです。

しかし、今だに100年も前の古い仮説を医療関係者や腰痛やしびれで悩んでいる方も信じている方が多いようです。

確かに、レントゲンやMRIの画像を見せられ、「神経を圧迫しているから痛みが起こっている。」と説明されれば納得してしまいますよね。

しかし、「神経を圧迫して痛みが発生する」

この説明には無理があるのです。生理学者はそのようには言っていません。

例えば熊澤孝朗先生(名古屋大学名誉教授)は著書「痛みを知る」にて次のように述べています。

「神経線維は通常、その末端にある受容器からの信号を伝えるものであって、その途中が興奮を起こしたりするようなことはありません。」

また、横田敏勝先生(滋賀医科大名誉教授)は著書「臨床医のための痛みのメカニズム」にて次のように述べています。

WS000100

いかがでしょうか。

また、1995年に発表された論文では、健常人の8割近くに椎間板ヘルニアが確認されています。(参考:健常人の76%に腰椎椎間板ヘルニアが確認されたhttp://1.usa.gov/iN3oKG)

健常人の8割近くに椎間板ヘルニアが確認された。驚くべき数字ですね。

この他にも多数矛盾がみられます。

例えば

・圧迫を放置すると不可逆性の変化を生じるとされているが、ナゼすぐに手術で除圧せずに保存療法をすることが多いのか。

・生理学上圧迫して発生するのは麻痺であり、痛みではない。

・保存的治療で改善することが多い。またその場合、MRIを撮影しても椎間板ヘルニアはそのままであることが多い。

・椎間板ヘルニアが圧迫している神経の支配領域と痛みの場所が違うことが多い。右を圧迫しているのに左側に症状がでている。

・手術をしても治らないことがある。

・神経根ブロックや硬膜外ブロックが効かないことがある。

・麻痺と言われた下肢の筋力低下も筋肉を柔らかくすることで回復することがある。場合によってはその場で回復する。

・トリガーポイントや関節を圧迫すると症状再現できることが多々ある。

・マッサージやストレッチ、運動や徒手療法などで回復する方が多数いる。

・感覚には痛覚以外にも触覚や温冷覚などがあるが、訴えられるのは痛みばかりで「触られている感じがする」などの話は聞かない。

などなど。

この他にも下記のような情報があります。

・2年間にわたる追跡調査によると、坐骨神経痛を有する椎間板ヘルニアの手術は保存療法より有益とはいえない。職場復帰率や長期活動障害率においても手術の優位性は認められなかった。坐骨神経痛は手術を受けるか否かに関わらず時間が経てば改善する。http://1.usa.gov/igqtA0

・坐骨神経痛に対する椎間板手術は、保存療法よりある程度の優位性を示すものの一過性でしかない。ノルウェーのRCTでは1~4年間優位性が持続したが http://1.usa.gov/lflO3P、オランダのRCTでは1年未満だった http://1.usa.gov/l8WVTV

・21~80歳までの腰痛未経験者52名を対象にCATスキャンで腰部椎間板を分析した結果、年齢に関わらず35.4%に何らかの異常が検出され、40歳未満の19.5%に、40歳以上の26.9%に無症候性椎間板ヘルニアが確認。http://1.usa.gov/mBTclS

・20~80歳までの腰痛未経験者67名を対象にMRIで腰部椎間板を分析した結果、21~36%に椎間板ヘルニアが、50~79%に椎間板膨隆が、34~93%に椎間板変性が確認されたことから、手術の選択は慎重にすべきと結論。http://1.usa.gov/knGWuH

・腰下肢痛患者246名を対象にMRI所見と保存療法の治療成績について2年間追跡した結果、椎間板ヘルニアは腰痛患者の57%、下肢痛患者の65%に検出されたものの、治療成績とヘルニアのタイプ、大きさ、活動障害は無関係だった。http://1.usa.gov/tZmk9p

・20~80歳までの腰痛未経験者98名を対象にMRIで腰部椎間板を分析した結果、少なくとも1ヵ所以上の椎間板膨隆が52%、椎間板突出が27%、椎間板脱出が1%確認されたことから、腰痛下肢痛患者の異常所見は偶然の可能性。http://1.usa.gov/l2kc0U

・坐骨神経痛を訴える椎間板ヘルニア患者126名を対象に、保存療法群とラブ法群の治療成績を10年間追跡したRCTによると、1年目まではラブ法群が優れていたが4年目以降は両群間に差はなくなっていた。長期成績は両群とも同じ。http://1.usa.gov/pbjVPJ

・メーン州内の3つの地域で椎間板ヘルニアか脊柱管狭窄症によって手術を受けた患者665名を2~4年間追跡した前向き研究によると、手術実施率の高い地域の治療成績は手術実施率の低い地域よりも劣ることが明らかとなった。http://t.co/BHCnCvu06i

・腰痛も下肢痛も経験したことのない健常者67名を対象にMRIで腰部を調べた結果、椎間板変性・変形性脊椎症・椎間板ヘルニア・脊柱管狭窄症のような構造上の変化はごく一般的な所見であることが判明したことから、手術の選択は慎重であるべき。
http://1.usa.gov/10SgXcQ

論文データはTMSJAPAN長谷川淳史先生より提供

これらの情報を目にして皆さんは何を感じたでしょうか。こういった情報があるから外科的に治療しないで保存的治療を選択するのも結構ですが、大事なのはこれらの情報を目にして、どうして現在この様な状況なのか、どうして痛みが発生しているのか考えて、自分で判断して行動することだと思います。

他人の発信する情報を鵜呑みにしてあちらこちらへと動くようでは、それこそ思う壺です。

続くw

Wirbelknochen

ナゼ腰痛は減らないのだろう

厚生労働省国民生活基礎調査によると、腰痛の有病率は年々増加し、約30年前の約1,5倍にまで増えているそうだ。

ナゼ腰痛を抱える方は増えていくのだろう?

世の中には腰痛で苦しんでいる方が大勢いる。原因は様々だが、変形神経への圧迫が痛みの原因であると洗脳され、刷り込まれていることに気がついていない。

ナゼ皆さんは腰痛有病率が年々増加しているのを考慮しないのだろう?ナゼ骨の変形や神経への圧迫で痛みが発生していると言われながらもストレッチマッサージ徒手療法、読書で痛みの知識を得ることなどで改善する方が多いことを考慮しないのだろうか。

ナゼ皆さんは腰痛が生物学的損傷(変形性腰椎症腰椎分離すべり症椎間板症腰椎椎間板ヘルニア腰部脊柱管狭窄症等)などと考えてしまうのだろうか?

ナゼそうなるのか?ナゼ人から言われたままを信じこんでしまうのだろうか?

痛みが起きるには原因があり、根本的な問題は皆さんの生活の中にある。しかし皆さんは根本的な原因究明ではなく、表面上起こった痛みにしか興味がないし、人から「治してもらおう」などと思うからなかなか解決できないのだ。

タンザニアのハザ族の人々は、打撲などの怪我以外で腰が痛くなることが無いらしい。彼らは1日平均15キロを移動しながら狩猟をしているそうだが、彼らにあって私達にないものはなんだろう。

どの問題にしてもそうだが、人が言っていたことを鵜呑みにしていないで、自分で調べ、考え、行動する必要があるのではないか。

Monument Valley

 

 

腰痛における危険信号(レッドフラッグ)

腰痛は実に多くの人が経験する症状です。腰痛診療ガイドラインも各国で発表されていて、日本でも一昨年末に発表されたのは記憶に新しいところです。

ぎっくり腰(急性腰痛)の多くは2週間以内に9割近くが自然に良くなりますが、そうでない場合もあるわけです。内臓疾患感染症などが原因で腰に痛みが出る場合があります。これらの重篤な疾患の可能性があるかどうかをチェックするには下記の「レッドフラッグ」の項目をチェックします。

腰痛に重篤な疾患が隠れている可能性は数%ですが、「レッドフラッグ」に該当する項目があった場合、画像検査血液検査を実施して重大な病変の有無を調べるように腰痛診療ガイドラインは勧告しています。

上記のレッドフラッグに該当しなければ、グリーンライト、多くの方は治っていきますからひとまず安心です。

もしそれでも治っていかない場合、再度画像検査や血液検査を実施するか、イエローフラッグをチェックしましょう。

これは心理社会的問題で、職場や家庭の環境、痛みに対する考え方など、とても重要な部分になります。

施術の感想を頂けました(^^)

本日も施術の感想を頂けました。

千葉県より電車で起こしのAさん、腰痛臀部痛でお悩みです。

3年ほど前よりダンスをする度に腰と臀部が痛くなっていたのですが、ある時ぎっくり腰になってから酷くなってしまいました。

レントゲンMRI等の画像検査をするものの異常なしとの事。色んな治療も経験されたそうです。

初診時體が傾いていて、伸展が制限されていました。筋肉の圧痛点はたくさんあり、痛みが出ている場所の皮膚は少し硬くなっていました。

良くなったり悪くなったりを繰り返しながら、徐々に良くなってきた感じです。お仕事忙しいのが少し影響していそうですが、後もう少しですね。

Aさんがんばりましょう(^^)

あきらめていた腰痛が徐々に良くなって、完治まで
あと一歩まできているのが信じられないし、嬉しいです。
いつもありがとうございます。

痛みは急性痛のうちは苦労なく消退することがほとんどなのですが、とれないで残ると慢性化して複雑になる事があります。

それでも多くの方は寛解していきますが、治療してもなかなか変化しないようなら痛みに対する考え方を変えてみたり、食事を考えてみたり、今現在の生活を色々と考えてみる必要がでてきます。

生活の中に何か問題があったからこその痛みですからね。

不安恐怖が強いと治りにくい

さいたま市よりお越しのAさん、3年前、足を挙げた時より腰痛と右膝に痛みがありました。病院で検査をした所、腰はすべり症、膝は変形性膝関節症と言われています。最近になり右足にしびれが発生するようになっていました。体が疲れると症状が強くなります。

腰は痛みのためか横に傾いていました。可動域は伸展のみ制限されていましたが、神経脱落症状はありませんでした。膝は少し伸展制限があるのと、ももの筋肉が硬くなっていました。

Aさんはとても反応が良く、2回目の施術前にお話を聞いた所、最初に比べて約8割の症状が消失したそうです。その後肩こりもあるとのことで現在肩こりの治療も同時にしていますが、反応は良好です。

すぐに痛みが引いていく方とそうでない方がいます。この差は一体何から生じるのでしょうか。

急性痛や急性痛が長引いたものであれば特に苦労なく治ることが多いですが、痛みそのものが病気の状態、慢性痛症になってしまった場合、色々とやらなければいけないことが出てきます。生理学者の熊澤先生は痛みの知識習得が大事だと述べていますし、私もそう思います。(ここでの慢性痛症とは期間が長引いただけのいわゆる慢性痛とは意味合いが少し違います)

間違った認識のまま恐怖不安でいると治りにくいですよね。

このブログでも何度か書いていますが、痛みの知識を習得して患者さんの不安が軽減すれば治療の半分は成功なのです。痛みに対する余計な不安や恐怖が痛みを強くしているのですから。

腰痛と左下肢痛(椎間板ヘルニア脊柱管狭窄症)

久喜市よりお越しのAさん、以前より腰痛と左下肢に痛みがありました。来院する3ヶ月前より痛みが強くなり、整形外科を受診したそうです。整形外科さんでは椎間板ヘルニア脊柱管狭窄症と言われたそうです。

当院受診時は痛みで体が曲がっていました。疼痛性側湾ですね。その他腰の伸展制限、筋肉の圧痛が多数ありましたが、神経脱落症状はありませんでした。

先ほど4回目の施術をしましたが、大分良くなってきたそうです。現在30分ほど歩くと痛くなりますが、今後歩ける距離と時間も回復とともに伸びていくと思います。

色々な病名が存在しますが、痛みの本態は実は筋肉や靭帯などからだったというのはよくあることです。ですからうちでの施術で回復するのです。

関節神経ばかりに目が行き、肝心な軟部組織の異常は注目されていないのです。もっと筋肉や靭帯、皮膚などの異常に目を向けてはいかがでしょうか。

 

今年も残り僅かですね、皆さん今年はどんな年だったのでしょうか(^^)

急性痛か慢性痛症かはやってみないとわからない事が多い

埼玉県上尾市よりお越しのAさん、4年前より左の腰と左のに痛みがあり来院されました。腰は少し伸展制限があるくらいで他に異常はなさそうです。踵には異常な所見はありませんでした。

本日3度目の施術をする前にお話をしたのですが、ほとんど良くなったそうです。

先の記事にも書きましたが、痛みが発生している場所に原因があるとは限りません。この場合、腰の関連痛として左踵に痛みが発生していた可能性が高いです。

このように、何年も痛みを抱えていてもすぐに治る方がたくさんいます。急性か慢性かを期間で分けた場合、3ヶ月以上続く痛みを慢性としていますが、期間だけでは急性か慢性痛症かは分かりません。

長いこと急性痛のままの方もかなりいますし、何年間も痛みを抱えていてもすぐに良くなる方は意外と多いものです。

私が見た中では20年間腰痛下肢痛に悩まされていた方が2回の治療で治った事があります。

希望を捨てず、諦めないでがんばりましょう。

 

しかし今日は朝から冷えますね。筋肉が緊張すると痛みにつながる事がありますから、体を冷やさないようにしてくださいね。

施術時間等のお知らせ

電話での問い合わせは多いですが、よく質問される事について説明します。

○当院は予約制ではありません。来院する際は診療時間内にお越しください。なお、初診の方は受け付け終了30分前までに受付していただくと助かります。

○施術時間は下図の通りです。

img1

たまに勉強会などでお休みを頂くことがありますので、最新の情報はオフィシャルホームページで確認いただけますと幸いです。http://s621.com(ページ最下部にカレンダーが表示されています)

○当院の治療方法について

皆さんが経験している多くの痛みしびれは侵害受容性疼痛といって、筋肉や皮膚、関節靭帯や関節包などに存在する「ポリモーダル受容器」の興奮によって発生しています。当院の治療はこの痛みセンサーであるポリモーダル受容器に特殊な刺激で働きかけ、興奮を沈静化して痛みやしびれを取り除く治療方法です。

治療時間は5分ほどで、極微弱な触刺激を皮膚に与える施術ですから「触られているだけ」の感じしかありません。よくあるバキバキボキボキする矯正術や、強い刺激のある治療方法ではありませんので、治療に刺激を求める方や、長い時間の施術を求める方には向いていません。

○当院の治療対象

オフィシャルホームページにも掲載されていますが、

当院で治療対象になるのは

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痛み・しびれ・いわゆる神経痛脱力拘縮コリなど

緊張性頭痛偏頭痛肩こり五十肩肩関節周囲炎腱板炎むち打ち(鞭打ち)・ルーズショルダー胸郭出口症候群など、手の痛みやしびれ

腰痛(腰椎分離症腰椎すべり症変形性脊椎症椎間板ヘルニア・脊柱管狭窄・坐骨神経痛)など体幹部の痛みやしびれ

変形性関節症変形性膝関節症変形性股関節症など

その他原因のはっきりしない痛みやしびれ

筋筋膜性疼痛症候群(MPS:Myofascial pain syndrome)

婦人科領域の諸症状(産後腰痛生理痛月経前症候群など)

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対象にならないのは

神経障害性疼痛(CRPS TypeⅡなど)

内臓からの痛み・悪性腫瘍・化膿性関節炎等

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わからないことがある場合は電話でお問い合わせください。

両手両足のしびれ

埼玉県内よりお越しのAさん、1ヶ月程前より首痛両手のしびれ腰痛両足のしびれがあります。来院する1週間前より症状が酷くなってしまいました。ストレスを強く感じた時期があったそうです。

当院を受診しようとしたら急に楽になったそうです。プラシーボ効果でしょうか。

頚部は胸鎖乳突筋に浮腫があり、筋肉の圧痛が多数ありました。神経脱落症状はありません。腰も伸展制限があるくらいで特に問題はありませんでした。

治療直後はさほど変化が無かったようですが、翌日から楽になったそうです。先ほど2回目の治療をしましたが反応がとても良くなっていました。後数回の治療で大丈夫そうです。(もちろん全ての方がすぐに良くなるわけではないですよ)

痛みやしびれが発生する原因は様々ですが、一番多いのは筋肉や靭帯、皮膚の緊張からポリモーダル受容器(痛みセンサー)を興奮させた場合だと思います。

交感神経緊張→皮膚、靭帯筋肉の緊張→局所循不全→ポリモーダル受容器(痛みセンサーの興奮)→筋緊張の亢進→循環不全→痛みの増強→以下繰り返し が多いわけです。

しかし、生物学的な損傷だけを症状の原因だと思い込んでいる方が多いため、治療をすすめるのが難しくなることがあります。それでも大抵の方は治療すれば反応しますから、それをきっかけに治っていくものですが。

筋肉が過緊張を起こして痛みやしびれが発生している方がたくさんいます。なんでもかんでも痛みの原因を神経のせいにしないことです。

もっと単純に考えよう

痛みやしびれはほとんどが筋肉由来のものです。

現代医学は幸か不幸か、画像診断機器が発達してしまったおかげで痛みの原因を骨の変形神経への圧迫に求めるようになってしまいました。

確かに、体の内部を画像化することで救われる方もいます。しかし痛みに関してはなかなかうまくいっていないのです。

それはすでに様々な研究により明らかにされていますが、知らない方はまだまだ多いようです。

昨年末日本でも腰痛診療ガイドラインが発表されましたね。「腰痛の発症と慢性化には心理社会的因子(ストレス)が関与していて、危険信号(レッドフラッグ)がない限り画像検査は不要」とされたものです。http://www.nankodo.co.jp/wasyo/search/syo_syosai.asp?T_PRODUCTNO=2269421

「痛みの発症と慢性化に心理社会的因子が関与する。」

これは腰痛に限ったことではありません。肩や膝などでも同じことです。

心が痛いと体も痛い」

まさにその通り、心身一如なんですね。

ストレスで胃潰瘍十二指腸潰瘍になることは皆さんご存知だと思います。

しかし全てではないですが、心理社会的要因が原因で手や足などの運動器に痛みが出ることは以外に知られていません。様々な要因によりココロに問題が生じ、体の生理的な機能が障害を起こす。逆もまた然り。体の痛み→不安恐怖でストレス→痛み増強が多いのですが。

それが胃に出れば胃炎や胃潰瘍などと言われるし、手や足などの運動器に出れば五十肩や腰痛、坐骨神経痛などと言われます。

体にでる症状は生理的な機能の障害なのです。

昔は画像診断機器も無かったし、軟骨や神経などという概念もありませんでした。しかしかえってその方が重く考えることもないし、苦労なく治っていたのではないでしょうか。痛みが出たら近所のマッサージ指圧鍼灸などで治癒したことでしょう。運動器に発生する痛みやしびれはその多くが筋肉や関節包靭帯などの軟部組織由来だからです。

ですから、筋肉が柔らかくなれば多くの痛みは消えます。

もっと単純に考えましょう。複雑に考えることにより治癒が難しくなるケースが多々見られます。人は不安や恐怖が増すと痛みを制御する機能が低下して痛みの強度が増すからです。

骨の変形や神経への圧迫で痛みは発生しにくいのです。強い力で締め付ける(絞扼する)と麻痺になります。これはそうそう見るものでもないです。知覚鈍麻知覚脱失神経原性筋萎縮など、見ればすぐに分かるものです。

痛みに対する不安や恐怖が痛みを雪だるま式に増やします。だからそうならないためにも、なかなか治らない方は痛みに対する知識のアップデートや運動が必要になります。

 

 

 

椎間板の変性は痛みを発生させうるのか

よく痛みのせいにされている椎間板変性、本当にそうなのでしょうか?

健康な椎間板にはそもそも痛みを感じるための痛みセンサーが存在していません。障害を受けた椎間板には椎骨洞神経が血管と共に侵入するみたいですが、臨床での結果を見ているとどうも侵入した侵害受容器(痛みセンサー)が活動しているケースがあるとは思えません。

以前こんな研究が行われています。

腰痛のない健常者41人を対象に5年間椎間板をMRIで撮影して追跡調査したところ、重いものを持ったり、運んだり、腰の回転や屈曲等の今まで危険と言われていたものは無関係で、腰痛の発症率はむしろ椎間板の変性がある方が低かった。 http://1.usa.gov/178sVnE

というものです。

また、男性の一卵性双生児115組を対象にMRIで危険因子を調査したところ、椎間板の変性は物理的な因子よりも遺伝的因子の方が強く影響を受けているということもわかっています。 http://1.usa.gov/kWg7Iw

物理的な負荷が強くかかる環境に置かれている方のほうが椎間板はより健康的だった、という論文もあります。

従来考えられていたように、物理的な負荷が原因で椎間板が傷つき、痛みが発生することは考えにくいということです。

もしも椎間板の変性が痛みの原因ならば、年をとれば腰痛有病率が上がっていきそうなものですが、実際には50代をピークに徐々に腰痛の有病率は低下していきます。

そもそも椎間板の変性に原因があるといいながら、することは牽引やマッサージなどの対処療法ばかりです。椎間板そのものにはアプローチしないわけです。それでも治る方が存在するということは椎間板に原因がないと考えるのが普通ではないでしょうか?

と、私は考えています。

定説とされていることでも正しいとは言えないことが数多くあります。

 

椎間板の変性を腰痛の原因と考える外科医は23%しかいないhttp://1.usa.gov/katDsM

増え続ける腰痛患者

腰痛日本人の自覚症状の第一位であり、統計開始から24年間で57%増加している。(厚生労働省 国民生活基礎調査2010)

医学が発達しているはずの現代で、腰痛の有病率が年々増加傾向にあるそうです。

なぜなのか?

様々な対照試験体系的レビューの結果、画像所見と腰痛とはあまり関連が無い事が分かっています。(悪性腫瘍や骨折、感染症による腰痛は別)

近年、診断モデルが従来の「損傷モデル」から「生物心理社会的疼痛モデル」へと大きくシフトしています。昨年末日本でも腰痛診断ガイドラインができましたね。テレビを持っていないので私は見ていませんが、痛みとストレスに関してようやく放送しだしたみたいですね。やはりメディアの力は大きいですからね、どんどん放送してほしいです。

生物心理社会疼痛モデルについては先の記事を参照してください。

しかし、今までずっと痛みの原因を関節の変形や神経への圧迫で説明されてきたのだからそう簡単には浸透しないですね。全国の医療機関もこの点が一番苦労しているでしょう。周りと違いすぎる事を言うと悪評が流れ、患者数の減少にもつながりかねない。だからあえて言わない所もあるかもしれないですね。

私の院でもこの点を説明するのが一番大変な仕事ですw

ですが、痛みのメカニズムを理解するのは痛みの治療において非常に重要です。この痛みのメカニズムを理解するだけで私は治療の半分はもう達成できると考えています。実際に話をしただけで回復していく患者さんがたまにいます。認知の歪みを正すことはそれほど重要なことなのです。

だからこそ、痛みの難民にならない為にも従来の損傷モデルから新しい生物心理社会的疼痛モデルへと知識のアップデートをして頂きたいのです。何も難しい医学書を読んでほしいと言っているのではない、一般向けにも良書はたくさんあります。

このブログの右サイドにもいくつか本を掲載していますが、生理学者熊澤孝朗先生の「痛みを知る」、TMS JAPAN長谷川淳史先生の「腰痛ガイドブック」はオススメです。(生物心理社会的疼痛モデルについて書いてある本を読んでください)

治療に大切なのは受け身の姿勢ではなく攻めの姿勢です。

「この人に治してもらうんだ」ではなく「私が頑張って治すんだ」という強い気持ちを持つ。

最新かつ最良のエビデンスの学習。

痛みに注目しない、マイナスな言葉を発しない。

痛みでできない事ではなく、できた事に注目する。

痛みがありながらも徐々に行動範囲を広げていく。

治った方の話を積極的に聞く。

治療者は患者の状況を見極めて適切な医療を提供する。

 

痛みが無くなったらなにがしたいですか?痛みが無くなった時の事を常に考えてください。行きたい温泉や観光地の写真を持って眺めるのも良いですね。楽しい事がいっぱい待ってますよ。治った際のイメージトレーニングも非常に大事です。

当たり前ですが、くよくよ気分が落ち込んでいるよりも、ウキウキ楽しい事ばかり考えていた方が治りが早いからです。これは実験でも証明されています。

皆さんの痛みが一日でも早く良くなりますように^^

脊柱管狭窄症、画像と臨床症状に相関なしという研究もある

埼玉県内よりお越しのAさん。1ヶ月半前より腰痛と両下肢のしびれがあります。

整形外科では脊柱管狭窄症手術の必要性を指摘されています。下肢痛が発生する前に足底筋膜炎があり、足をかばいながら歩いていたようです。ということは足底の痛みが腰と下肢全体に広がってきたと考えるべきでしょうか。盛んに麻痺の言葉が出てきていました。とても心配だったのでしょう。麻痺は神経脱落症状です。知覚鈍麻知覚脱失運動麻痺。痛みは麻痺ではありません。痛みは電気信号です。痛みがあるということは、どこかで痛みセンサーが興奮し続けているのです。

当院受診時、とても歩くのが辛そうでした。やっと動いている感じです。影響を与えそうな既往歴は特に無し。疼痛性側湾と腰の伸展障害、足背屈力が軽度ですが低下していました。これはセンサーの異常でも発生します。どちらかは経過を見ないとですね。深部腱反射異常なし、病的反射異常なし、筋萎縮異常なし。

その場ではあまり変化が無かったように思います。本日2度目の施術にいらっしゃいましたが、だいぶ正常に近い歩行になっていました。とても楽になったそうです。まだ負荷をかけると痛むそうですが、それも徐々に無くなるでしょう。問題なければ後1,2回の施術で終了するとおもいます。Aさん良かったですね。

症状がなくても脊柱管の狭窄がある方がたくさんいます。症状があっても画像上何も異常がない方がいます。この差は一体何でしょうか?

 

高性能な画像診断機器の普及によって1990年代ころから脊柱管狭窄症と診断される患者が増加したが、平均年齢59歳の脊柱管狭窄症の患者100名の画像所見(レントゲン撮影・CT・脊髄造影)と臨床症状を比較した結果、画像所見と臨床症状の間に関連性は見出せなかった。http://1.usa.gov/RxEUW4